知的障害者ソフトボ-ル選手権大会に参加して思うこと
2002年10月1日
ご案内のように,新しい障害福祉の変革は障害のある皆さんの人生について,暮らしについて大きく変えよう,変わろうとしております。そんな動きの中で,特に生活,もっと人生における内容の充実,人間らしい個性豊かな人生の確保を,つまりQOLに関心が集まっています。時折しも来年度から新規に立ち上がる新障害者基本計画と新障害者プランが内閣府での懇談会で検討されている最中で,9月4日にその骨子案が発表され10月2日には懇談会が開催されております。その中には障害のある方々の自己実現のためにスポ-ツとか文化・芸術活動の振興ということが取り上げられています。
今後ますます多くの関心が寄せられると共に,各種スポ-ツや文化芸術活動が活発になるでしょう。大いに期待したと思います。特にスポ-ツはル-ル・団体行動・人間関係・身体活動・自己コントロ-ル・持続する強靱な意志・競技を通しての地域交流などの経験や学習の場になるでしょうし,ソフトボ-ル競技など集団競技はその意味ではとても意義深い,まさに今大きなテ-マになっている「地域での暮らし」に不可欠な要素であることは間違いないことだと思います。
今後益々こうした活動が周囲の人々や関係者の理解・支援のもとで拡大発展充実していくことを心から願いたいと思いますが,一方では不安もないわけではありません。たとえば,競技を楽しむ人々にとっては,勝つことをめざして今日まで鍛え,練習をしてくるのでしょうが参加ティ-ムの中で優勝したティ-ム以外は間違いなく敗者となると言うことです。当然のことですが人生において私たちはいろんなことを願います。しかしそれれらの願いが叶うことはむしろ希なことなのかもしれません。だから人生今度こそはがんばって願いを叶えようと自らの命を明日につなげ生きているのかもしれません。 そうした多くの失敗や挫折の中で私たちはまた多くのことを学んでいることも確かです。その意味で彼らの挫折や失敗への対応やフォロウが難しいなと感じます。勝負が終われば,ラグビ-のノ-サイドじゃないけれど,共に今日の日まで元気に努力してきたこと,力一杯試合に参加できたこと,試合を通して多くの出会いと気づきをもらったことに感謝をし,称え合うことも大切なことだと思います。試合に参加した選手も,支援者もそんなことをお互いに確認し会える機会にしたいものだと思いました。
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