今日地球的規模での
2003年09月1日
今日地球的規模での障害福祉世界のキ-ワ-ドは「人権」、「地域」、「主体性」と言った概念に代表されるであろう。それは今までの障害福祉の在り方がこのような観点を軽視あるいはネグレクトしてきたところで成り立っていたことを示していることでもあり、医療モデルとかパタ-ナリズム下での保護隔離的な有り様、過小評価によるADL重視の訓練的な有り様、効率主義からの集団管理的な有り様などなどである。それらが時代的な背景の中で当然のことのように受け入れられていたことは事実としても、将来に渡ってそうした有り様が有効且つ適切かどうかは大いに疑わしいところであるし、衆目の疑義を集めているところであろう。
例えば昨年末に発表された我が国の新障害者基本計画や新障害者プランで強調されているところの「真の共生社会」の実現はこれらのキ-ワ-ドを無視してはあり得ない。その意味では我々は今までの有り様を大いに反省し、我々よりも限りなく相対的なレベルで、生活上のニ-ズを量的質的に僅かばかり多彩・多量にそして場合によっては長期間必要とする存在である彼らの、地域での主体的な暮らしをどうしたら実現できるのか、そこで我々は何をすべきかを今あらためて緊急な課題として捉え、追求し、具体的に実践することが求められている。
とりわけ24時間対応の自己完結的な有り様をしてきた入所施設に我が国の障害福祉施策が大きく偏倚してきた体制を、彼らの生き方の多様さを支援する観点からサ-ビス選択肢の確保充実を計りながら地域移行を進めること、さらにはそこでの暮らしをより安全と安心の内に確保するためにそれらのサ-ビス間をニ-ズに応じて自由自在に移行したり、場合によっては併用したりする柔軟性を持たせることが必要であろう。
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