コロナ災害と不易流行
2020年05月31日
4月に新型コロナウィルス感染に関する緊急事態宣言の発出以来、我が国は災害史に前例のない事態になっている。5月中に宣言解除がされたとはいえ、今後の見通しにしても各分野への影響を考えた時、決して生優しいものではないとも言える。
子どもたちはこうした社会全体の閉塞的な事態に、また息を潜めるように地域の中で子育てをされておられるご家族の皆さんには、一体どのような困り感や辛さの中で、どんな日々を送られているのでしょうか。案じられてなりません。このような事態になって今更ながら気づかされることですが、今まで不平不満を言いながらも当たり前のように出来ていた日々の営みの大切さとそれらのあれこれが出来ないことのストレスや鬱屈した思いです。
発達支援という乳幼児期の子どもと家族に寄り添うことをmissionに掲げて入れ込んできた我々であるとしても、今は心と身、知と情、私と公などが自分の中で苦悩葛藤している日々です。誰かの性にしても解決にはならないだろう。しかし、今あらためてこのような事態に遭遇し、二律背反的に苦悩する中だからこそ我々の一人ひとりの発達支援に対する本気度とか覚悟が試されているような気がします。
そんな中で我々はいつものface to faceでの支援活動とはとちょっと異なる形で、我々のmissionである本人支援・家族支援・地域生活支援という発達支援活動を三密事態を回避しながら安全かつ効果的に行うためにはということで職員一丸となって考え、模索し、チャレンジし現在も進行形です。こうした事態だからこそ新しい発想で、新しいアプローチを、新しい媒体を使ってという事です。
勿論行政からの矢継ぎ早の数々の通知や通達を反映させながらも、従来の「子ども中心」という視点はぶれないようにしつつ、家庭に引きこもりが常態でもあることからの「保護者支援」に少し比重を移しながらということでした。例えば、
①「You Tube」では発達支援関連の職員が手作り動画を50本以上配信している。
② On Lineでの一人ひとりの子どもと家族へのコンタクトをとり、支援・相談をする。
→電話・Line・Zoom・Face Bookなどの活用(在宅テレワークを含む)
③ 集団On Line Programでは週刊番組表も配信
④ 「おはようZoom」を毎日定時配信
⑤ School Busで児の家の近くを走りながらの支援
⑥ 週1回の登園可能児を対象に園内支援(換気・消毒・三密回避の徹底と共に)
⑦ 家族生活状況アンケートの実施(194家族から回答)。困り感やneedsの把握 etc.
これらは今までになかった様々な支援の内容や方法を創造し、試みる好機となったし、コロナ以後も十分活用できるいくつかの発見や気づきが得られました。今後もいかなる事態になろうとも今までと同様に声なき声に謙虚に耳を傾けながら、想像力豊かに、適切に、タイムリーに発達支援を展開するということは不変です。その意味で、このCrisisはChangeのChanceと捉え、我々のmissionのさらなる高みを目指してしなやかに、したたかにChallengeする好機到来とばかりに前向きに受け止めたいものです。
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