インクルージョン社会の構築をこどもの世界から
2023年02月28日
昨年2022年の第208通常国会において「児童福祉法の一部改正法案」、「こども家庭庁設置法案」、「子ども基本法案」などが採択された。そして「こども家庭庁」は2023年4月から創設開庁される。
これで厚生省、内閣府など複数の省庁にまたがっていた子ども支援関係の施策が一元化されることになる。とは言え、文科省関係の子ども世界はそのままに据え置かれていることから、その意味では完全な一元化ではないので新たな所管間での通知、手続き関係の煩雑さが派生するなど、「一難さって、また一難!」と言うことになりはしないかと懸念される。また児童福祉法の改正は2024年4月から施行されることになっている。
今回の法改正によるパライダイム転換は、2008年、2012年、2021年におこなわれた厚生労働省での「障害児」に関する支援の在り方や通所機関での支援サービスのあり方などに関する3回の検討会での議論を建設的に積み上げてのものであるし、さらに2022年度に具体的施行に向けての厚生労働省での検討会が立ち上がっていて、そろそろ最終局面に差し掛かっている。例えば「インクルージョンの一層の推進」、「児童発達支援センターを地域での障害児支援の中核的役割を担う機関する支援体制の整備」、「児童発達支援における福祉型と医療型の一元化」、「児童発達支援・放課後等デイサービスのあり方」「給付決定や支援の質に関する今後の方向性」などのより具体的方向性が示されるはずである。
我々子ども関係者がこれまで半世紀近く願ってきたこと、愚直に実践しながら推し進めてきたサービスが、これらの法案によって大きく、確かな前進をとげるはずで大いに期待したいところである。勿論、世の常として、その変革が大きければ大きいほど、今までのものが例え不満や不全にまみれたものであったとしても関係者の不安は大きく悩ましいものだ。そして、時には鬼の首を取ったかのように困難であること、不可能であることを饒舌に捲したてるのである。
しかし、ここは冷静になろう! 我々の知る限り、法や制度で当初から100%完璧な物はほぼあり得ないのだから。とりあえずBestではないけどBetterな物をPDCAサイクルでバージョンアップ していくことの方が、より早く子どもと家族のneedsやwantsに届くことを我々は経験的に知っている。
さあ掛け替えのない時間を、日々をこれ以上諦めや失望のために費やすことを止めて、希望に向かって歩み出すためにとりあえず前進しようではないか。加油! Good Luck!
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