緑の風が吹くとき
2016年06月16日
時は梅雨。深緑が雨に濡れて輝いている。そんな葉先に雨露が光っている。
ジメジメ、ムシムシとうっとおしいとか蒸し暑いとか暑苦しいとか、人間模様からすれば何となく否定的なとらえ方の多いこの時期である。
しかし、視点を人間様から離してみるとまた違った風景が見えてくるし、評価が生まれてくることに気づかされる。
メンタルにはストレスの多いこの社会、不安や焦燥や怒りや悲しみや苦悩が日常を埋め尽くしているような今日的な世相である。しかし、そんな日々のどこかで、一瞬でも視界の中に草木の緑を取り込んだとき、人は間違いなく嘆息とともにしばしの安らぎを覚え、いつになく深呼吸がしたくなる。
この草木に雨が降るとき、草木は空に向かって伸びる。木の葉が大きく拡がって太陽の日差しを受け止める。鳥や蝶が空に舞い、木陰には子どもが額の汗を拭いながら憩う。
時は梅雨。自然の大きな懐の中で、この地上の生きとし生きる命が華やぐ時、人間もその中で生き、生かされている。このことをいつもいつも忘れないでいよう!
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