寄り添うという事
2021年10月29日
今年も残りわずかであるが、年度的には翌年の3月までと言う事からするとまだ半年近くある。とにかくコロナで明け暮れるこの3年にまたがる混乱とストレスフルな日々である。本来のそれぞれに与えられたというか、自分で選び取ったかもしれないが、生業がなんであろうがこの前代未聞の悲劇的な事態から解放されている人はいないであろう。衷心よりお見舞い申し上げたい。お疲れ様です。ご苦労様です。
そんな事態の中で、うめだ・あけぼの学園で発達支援サービスを利用したいと医療的・心理的初診を含む面談と希望受付をすでにされて、子ども相談支援センター経由でwaitig 状態にある子どもはこの10月末現在で60名を超えている。待機児はむしろこれから増加時期に入る。今年度のあけぼの学園では発達支援部で185名前後の0歳から就学までの子どもが4月から利用中であるし、地域支援部では0歳から小学3年生までの子どもが90名ほど利用中である。頻度はともかくとして、何らかの形で学園の支援を定期的に利用している子どもは300名近くになっている。結果として学園の人的、space的なcapacitiesは限界である。そのために申し訳ないこと限りないことであるが、短くても来年の4月まで、人によっては一年以上お待ちいただくことになってしまっている。そんな事態がうめだ・あけぼの学園の例年の悩ましい実態である。
しかし、それを「定員いっぱいです!」とか「もう入る枠は在りません!」とか「来年の4月まで待ってください!」と言われ、その間に何の助言や支援も受けずに放置状態にしてしまっている事は我々支援関係者には無条件にあってはならないことだろうと思う。診断や相談だけで、直接支援を受けるまでの間の多くの不安や疑問や戸惑いに対して無関心であり、放置状態を続けることは罪でしかないし、およそprofessionalではない。Proとは、その分野の表層的な知識やskillの量的な嵩を競うものではない。そうした見かけ上のバベルの塔のbackboneあるいはbaseをなしているpassion(献身)や、他者の思いへのイマジネーション、寄り添いこそが肝要である。
今月から学園では0歳や1歳代の親子が10組以上もそうした事態におかれていることに気づき、園長としていたたまれなくなり、例え園長一人であっても、声掛けでも出来たらと月二回の無料塾を開始した次第である。何が出来たか、何ができるか、何をすべきかを思案する前にお待たせしていることに対する謝罪とお詫びのactionをである。
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