こどもをまんなかに
2024年06月5日
2023年4月に発足したこども家庭庁はキャッチフレーズとして「こどもまんなか」を掲げています。果たして、「こどもまんなか」を実現するのが「こども庁」ではなく、「こども家庭庁」である必要があったのかどうか、成立過程で様々な意見があり決定がなされたようですが、その件については今日は取り上げません。
さて、先日の5月31日に政府は【こどもまんなか実行計画2024】を決定したそうです。
「こどもをまんなか」にすえるとはどう考えたら良いでしょうか。児童発達支援センターであるうめだ・あけぼの学園では、創設以来モンテッソーリ教育を、支援のベースに置いています。恥ずかしながら学園長である私自身、系統立てて学ぶことができていないので、網羅的な説明はできないのですが、子ども自身の主体性が重要なポイントであると、職員間では共通理解を持って進めてきています。子どもの主体性を大事にするためには、子ども自身の思いや考えに耳を傾ける必要になります。
うめだ・あけぼの学園に来ているのは、就学前の子どもたちが中心であり、かつ、我々が理解できる言語をまだ獲得していない子どもたちもたくさんいます。そのような子どもたちに対して、子ども自身の思いや考えを大切にするためには、どのような取り組みをしていくのか。どのように考えていけば良いのか。
学園の職員たちは、子どもたちに、たくさん声をかけ、問いかけてくれています。本当に小さいことでも「隣に座って良いですか?」「先生に手伝わせてもらえますか?」「先生に話を聞かせてくれる?」といった具合で。繰り返しになりますが、我々が理解できる言語はまだ獲得していないので、期待したい答えが返ってくるとは限りません。それでも問い続けてくれています。本当に頭が下がるほど、丁寧に。
なぜ問い続けるのか。子どもが「答えられるから」問うのではありません。「答えられるようになってほしいから」「答えて思いを聞かせてほしいから」問う必要があるのだと思います。
今、意思決定支援とか、意思形成支援の重要性が指摘されています。意思形成のために、乳幼児期からできることは何か。それは、我々大人が子どもに問い続けること、と考えられます。子どもという存在が、(当然でありますが)思いや意見ある存在であるととらえ、対等な立場から問いかけること。日々小さな積み重ねですが、うめだ・あけぼの学園の実践における「こどもをまんなか」に据えた、意思形成支援の取り組みであると考えています。
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