めっきり春めいて
2000年03月15日
めっきり春めいて参りましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。年度末で卒園式、卒業式や、新年度の準備などなにかと多忙を極める日々ではないかとご推察申し上げます。ところで懸案の「社会福祉事業法」等8法の改正問題も3月3日に閣議決定を受け、国会に上程されました。いまだ具体的な審議には至っておりませんが、予算審議が終了した段階で開始されるだろうと思われます。期待しましょう。
この度の法改正において、一段と地域生活支援を主眼とした各種施策が打ち出され、施設での暮らしから地域在宅での暮らしへと加速的に進むものと思われます。豊かな選択肢の中での主体的な生活の実現が目の前にきております。しかしながらまったくの不安がないわけではありません。
すなわち、たとえば建物や衣装といった外部条件は整えられ立派になるかもしれません。それはそれですばらしい事ではありますが、もっと大事なことは、住む人であり、着る人である本人自身の個としての成り立ちではないでしょうか。自己選択とか自己決定とか主体的な暮らしと言われている内容を名実ともに充実させるためには、発達段階的に身体像からはじまっての「自己の客体化」さらには「自己概念」「自我像」といった点についての確立が不可欠と思われます。残念ながら今、多くの関係者は前者の外的条件整備には注目していますが、それと同様、あるいはそれ以上に後者の「自己」確立という点についてもっと注目すべきではないでしょうか。関係者の健闘を期待します。
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