日本知的障害者福祉協会 会長就任にあたり
2002年04月1日
戦後から半世紀,この間我が国の福祉サ-ビスを必要とする人々に対する支援としては憲法25条に基づく救済・保護的な性格の強い制度としての措置制度が存在してきました。そしてそれが時代的な背景の中でそれなりに大きな効果を上げてきたことは関係者の多くが認めるところではないでしょうか。このような措置制度に代表される我が国の障害福祉施策に先だってのサ-ビスが,すでに滝乃川学園の石井亮一先生をはじめ多くの民間人の先達による明治期にまで遡る,まさに血と汗と涙の崇高な人間愛に基づく献身と犠牲と共あったことを忘れることはできません。関係者に対する社会からのいわれのない差別や偏見や迫害,さらには日常的な経済的困窮状況などにあって微塵も怯むことなく,勇敢にそれらの社会的困難さと戦い,よく彼らを愛護し得たことに対して心からの敬意と感謝の念を禁じ得ません。
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