こどもをまんなかに を考える
2024年07月6日
前回に続きまして、「こどもをまんなかに」について考えます。
先日ニュースで「小1の壁」という言葉に出会いました。「小1の壁」自体はずいぶん以前から言われていることです。正直、いまさら、なんだろうと思い、読み込んでみると、働く親にとっての「小1の壁」でした。
我が家でも長女が小学校に入るときの、約20年前のことを思い出しました。保育園を利用していた娘は、3月31日まで保育園を利用し、4月1日からは学童保育を利用し始めて、小学校の入学を向かえていくことになります。そして学校に入学すると、保育園時代は家庭の都合で登園することができましたが、学校で決められた時間に登校することになります。4月になり、行く場所が学校と学童保育と2か所になり、生活の時間帯や生活スタイルが大きく変わるなど、大きく環境が様変わりすること。それでいて、親がついていてあげられる時間帯にも制限が出ること。過酷だなぁと感じたことです。
ニュースでは、シングル家庭の例が取り上げられます。家庭内で融通がつけられず、対応が困難であるというものでした。
これに対して、大阪では、小学校の開門を7時にしたと。こどもが安心できる場を提供したと報道されています。学校がこのような柔軟な対応を示すこと自体とても画期的なことで驚きました。即効性のある対応だと感じました。
その一方で、これって「こどもまんなか」だろうかと違和感も、同時に感じられました。子育て家庭のニーズに応えますということで、保育時間が朝早くから夜遅くまで可能になったり、24時間預かる保育園があったり、駅前のテナントビルに保育室があったり、病児保育が拡充されたり、4月1日から学童保育が利用できたり、夏休みの間も確実に学童保育が利用できて、学童保育の場で弁当が注文できること、などなどなどなど。ニーズがあり、それに応じて提供されていることで、これらの様々な取り組みで助かっている家庭がたくさんあることは、承知しています。我が家もその恩恵に預かって、おかげで娘二人は成人を迎えることができています。
ですが、あらためて、これらは「こどもまんなか」の政策なのだろうか。
ひいては、この日本は子育てをするのに躊躇することなく、安心して子どもを産むことができる国なんだろうか、そんなことが頭をよぎっています。
一般社団法人 全国児童発達支援協議会の全国研修会が、熊本で開催されました。事務局長を務める私の他に職員2名とで参加してきました。200人を超える人たちが全国から集まり、子どものことを真剣に考える時間、その姿には、とても勇気づけられました。
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